独自開発のコンテンツとして、イギリスの書籍の翻訳やそのコンセプトに倣ったインタビュー集の企画のほか、 新しいコンテンツやプロダクトの企画を準備しています。
10年ほど前のイギリスは、保守党が政権を労働党に譲るという、日本で言えば、自民党の下野のような 事態が起こっていました。その時、マーク・レナードが書いた『BritainTM』は閉塞感のあるイギリス社会を再評価する機運をつくりだしたコンセプトブックとして一躍脚光を浴び、ブレア政権がかつて推進した ”クールブリタニア政策”の底本ともなりました。 すでに、クールブリタニアは過去の言葉になっていますが、料理がまずい、古くさいというイメージから、 デザイン先進国のイメージを構築することに成功しました。
日本でもクール・ジャパンの取り組みが試みられていますが、現状ではソフトを海外に紹介したり、コンテンツ開発環境を整備したりということを行っていますが、それらは日本のソフトの力をただの作品として捉えてしまっているために、力強さを欠くものになっています。 日本のアニメやゲームをはじめとするソフトの力は、戦争以前の文化的蓄積と太平洋戦争の記憶と高度経済成長という他国ではまず再現不可能な土壌から生まれています。さらに、近年の萌えを意識したコンテンツと、70年代80年代のコンテンツとは、根本的に異なっています。70年代80年代のコンテンツは、アニメあるいは特撮という容れ物が、端っこ存在であったために最も自由度が高く、制作者もアニメや特撮をつくるためではなく、自らのメッセージを伝えるためにガンダムやウルトラマンという、パッケージを使ったという事実があります。富野監督や実相寺監督はそのことをとても意識してきた方々です。
その結果、日本のソフトには現実世界を侵食する力が宿りました。この観点からすると、村上春樹の作品もこの系譜に繋がるものであるかもしれません。海外では、子どものものとして現実世界とは一段低く分け隔てられていたものが、日本では、現実世界と繋がり、大人の鑑賞にも堪えてしまう作品強度を持つ構造を生みました。この点を意識せずに、ただ人気があるから、海外に営業しようとすると、取り組みは表層的なものとなります。
日本が本気でクール・ジャパンを打ち出すならば、現実世界である国内の生活環境、教育環境、住宅環境をクール・ジャパンとしてどうあるべきかという観点から変えて行くべきです。 結果として、秋葉原は「趣都化」して事例としては先進的であるものの、他の街に応用するべき何かはほとんど見いだされていないのではないでしょうか。
一方、お台場ガンダムは虚構がお参りの対象になることを示した好例であると思います。 日本が日本のソフトの力を活かした戦略をとるならば、ソフトパワーの基となっている作品群の再評価を行いながら、現実の生活に還元することを行うことが最も効果的です。つまり、大阪万博や小松崎茂に垣間見た未来を、21世紀の生活に現実化するとすればどうなるか真剣に考えることが、日本のソフトパワーの価値を最大化することになるのではないでしょうか。 『Nippon TM』はイギリスの事例を踏まえながら、統計データと各方面の有識者にインタビューから、 ブランドとしての日本の方向性を提案するコンテンツです。
*『Britain TM』を出版したロンドンのDEMOSに赴き、日本語版の開発許可を得ています。
■まだ固まっていないアイデアを常に考え続けています。 ・自分が中学生や高校生の時にこんな本があればよかったというコンテンツ企画 ・ファッション流通の売場をもっと楽しくするプラットフォーム ・社用車である自転車をデザインして現実につくってみる、 ・六本木ヒルズのコミュニティでイベントを企画実施してみる
など、いろいろなことを試みています。 仕事ありきではなくても、声を掛けてください