ポリネコというコンセプト

ポリネコ=Political Needs Coordination

デモクラシーが世界中で揺らいでいます。

すでに半世紀前、ケネス・アローが不確定性原理として示したとおり、通常の投票において投票者の意思を正しく反映することは不可能と証明されています。同じく、先進各国ではF・ハイエクやT・ローウィが指摘した利益集団による社会システムの機能不全が発生しています。

民主制の起源は紀元前に遡ることもできますが、2000年以上の間、こうした欠陥は解消されていません。
21世紀以降、イリア・ソミンの研究をはじめ、政治家を含む多くの人々にとって政治的知識を増やすことは割にあわないと捉える傾向にあるとされており、投票率の世界的低下傾向を裏付けるものとなっています。

ではどうすれば良いのか?という問への解答がポリネコです。

現代社会は、法の支配(Rule of Law)と民主制(Democracy)という2つのソフトウェアによって構成されています。故に、社会の機能不全は、このソフトへの理解に基づく改良とアップデート、そして過去2000年に存在しなかったICT(情報通信技術)の要素を加えることで解消可能です。

ポリネコとは?

Political Needs Coordination の頭文字からPoliNeCo/ポリネコはできています。

さて、私達の日々の生活に関わる社会課題は、下図のような過程でより良くなってゆくことが理想形です。

しかし、いまの世の中は、この当たり前の過程をほとんど実現できておらず下図のような状態になっています。

この現実に向き合い《あるべき形》を実現するためのデモクラシーのコンセプトがPoliNeCo/ポリネコです。
21世紀の私達には瞬時に地球上の生活圏であればどことでもほぼリアルタイムで繋がるインターネットというツールがあります。ICTの本質は「めんどくさい単純なことを楽にできる」です。
このメリットをデモクラシーに活かさない手はありません。
PoliNeCo/ポリネコは次のような考えです。

 政治家と国民/市民が、共通の情報を踏まえて「考え」を示し合い、政策と国民/市民との長期的な関係性を継続的に構築することで国民主権の社会運営、住民起点の都市、地域経営を実現する、
行政と民主制の新コンセプト

コミュニケーション構造は下図のようになります。

歴史の積み重ねの中で、わたしたちの先人は社会の成員であるわたしたち一人ひとりに社会の主導権があり、それを政治家や国という機関に委ねることで社会運営を行う仕組みを、試行錯誤の末に形にしてきました。
これが基本的人権ともリンクする国民主権です。
しかし、この仕組みでの委ね方は長い間、発展していません。このことが世界各地でのデモクラシーの行き詰まりの背景にあります。
もともと民主制/デモクラシーはその主導権を持つ、わたしたち一人ひとりが常に学び、意思表示し、振り返りを重ねていくことが求められるシステムですので、ここを怠ると自然と行き詰まってしまいます。

そこで、私はポリネコのコンセプトのもとで動くモデルを開発しました。
そのプロトタイプが、慶應義塾大学大学院での修士論文『ネット利用による政策ファシリテーターの設計・実施と可能性』(2008)であり、栃木県塩谷町における『塩谷町民全員会議』(2016 マニフェスト大賞戦略コミュニケーション最優秀賞)です。