『ビジョンドライブ』-「リーダーシップ」と「成果主義」の限界を超えるために-

"VISION DRIVE"

「リーダーシップ」、「成果主義」によるマネジメントでは、組織やコミュニティ、地域や社会も、
自由な発想が阻害されイノベーションが起きにくくなります。
では、どうすればいいか? 
その答えが『VISION DRIVE』ビジョンの共有。
より正確には、 ビジョンの確立、共有、更新によるマネジメントです。

「リーダーシップ」は暴走する、「成果主義」で人は評価の奴隷になる、どちらでも、ほとんどの人は押さえつけられる側となり、周囲とも組織とも信頼関係を作ることができない。そのため新しい挑戦は抑制され、イノベーションや新しい価値を生み出せない。

ではどうすれば良いのか?

最も必要なものは、誰もが押さえつけられることなく、周囲や組織と信頼関係のもとで活動ができる「心理的安全性」です。
その心理的安全性は「信頼/TRUST」によって醸成され、
その「信頼/TRUST」は、3つの認知要素から形成されます。

その3つの認知要素とは、
・能力認知(competence)
・動機づけ認知(motivation)
・価値共有認知(salient value)
です。

・能力認知(competence)は、相手の能力を学歴や業績、判りやすく言えばオリンピックの金メダリスト、ノーベル賞受賞、ある部やチームのエースと呼ばれるなどの形で認知することで相手や対象に信頼を持つこと。

・動機づけ認知(motivation)は、相手の行動などに熱意や頑張り、努力といったものを認知することで、相手や対象に信頼を持つこと。

そして、
・価値共有認知(salient value)は、相手と自分が同じ価値観を持っている、同じ目線を共有していると認知できることで、相手や対象に信頼を持つこと。

この3つの要素のうち、”能力認知”と”動機づけ認知”は「リーダーシップ」による環境でも「成果主義」でも信頼構築に影響する認知要素として機能することがあります。しかし、「信頼/TRUST」の構築に最も影響するのは、”価値共有認知”です。

そして、「リーダーシップ」と「成果主義」の環境では、”価値共有認知”は重視されません。重視しなくても「リーダーシップ」と「成果主義」は成立するからです。言い換えれば、「リーダーシップ」と「成果主義」の環境下において、心理的安全性を確保することは困難です。

心理的安全性とは、自分が周囲の人々に受け止めてもらえている、理解されているという安心感であり、この安心感が人が最も力を発揮できる仕事の環境です。ノルマで責め立てられている環境には心理的安全性はありません。

 

では、どうすれば、心理的安全性を生み出す
価値共有認知を実現できるのか?
そもそも何についての価値の共有ができれば良いのか?

どうすれば、心理的安全性をつくることができるのか?
その答えは、“価値共有認知”を組織やコミュニティ、地域や社会に属する人と人の間に相互につくることにあります。重要なので重ねて書きますが、一方通行ではなく相互につくることです。

たとえば、ある人と人の間で、小説家や、音楽ジャンル、漫画などお互いの共通の”好き”があると、そこには”価値共有認知”が生じます。
共通の趣味が判ることで、相手に対する信頼がいくらか増すといった経験は多くの人にあると思います。

しかし、共通の趣味による”価値共有認知”はないよりもあったほうが良いのですが仕事の推進力としては出力不足です。では、何の”価値共有認知”ができれば良いのか?
それは、仕事のビジョン/VISIONです。

航空業界におけるCRM
“Crew Resource Management” は、
世界規模で成功している”価値共有認知”に基づく
「信用/TRUST」の構築と運用です。

多くのビジョン/VISINは誰かが勝手に決めて示されるものです。
企業でも、行政でも「ビジョン/VISION」は掲げられていますが、ほとんどの人は自分には関係がない、あるいは、飾り程度のものだと思っているのではないでしょうか。

「ビジョン/VISION」は綺麗事を書くことではありません。
本来あるべき「ビジョン/VISION」は、企業や行政、地域や社会などの組織やコミュニティに関わる全員にとっての共通目標です。

そして、この共通目標は、”対前年比〇〇、□%アップ!”というものではありません。それは手段でしかありません。□%アップは何のためなのか?この定義が共通目標であり「ビジョン/VISION」です。

「ビジョン/VISION」を考える時にとても参考になるのが航空業界です。
飛行機はかつて、現在よりもはるかに頻繁に事故を起こし、墜落も少なくありませんでした。さまざまな事故の調査から、事故原因の主な原因に人間関係があることが判明します。

機長に副機長が意見を言いにくい、クルーと操縦士の間で遠慮やパワハラなどによる溝があることで情報共有が行われない、などといった一見、些細なことが旅客飛行機の重大事故につながっていることが事実として明らかになり、航空業界にはCRM-Crew Resource Managementという考え方と手法が導入されるようになります。

CRMとは、共通目標のもとで全ての航空に関わる人は対等であり、協力し合うことが義務であるというものです。
機長と副機長、クルーと操縦士などの人間関係には自然と上下関係が発生しますがこれが事故原因となるコミュニケーション不全を生みます。

ならば、意見の押し付けや情報共有を躊躇うこと、高圧的な態度を取るなど、さまざまな判断ミスを生み出す人間関係における力関係を対等にすることが正解となります。

航空業界の共通目標とは「安全な運行」です。
この目標のためにすべてのスキル、役割、組織があるのだという認識を、運行に関わる全員に浸透させることからCRMの構築は行われます。

事故を起こさない、起こしても被害を最小限にする、乗客の安全を最優先に考えるといったことは、言うは易し、行うは難しの典型です。安全性に定評のある日本の航空会社でも複数のパイロットの飲酒が2017年、18年に事件化するほど、現場にいると人の認知は緩みます。

そのためCRMの取り組みは一過性のものではなく、通常業務の中の一部として継続的に行われる必要があります。航空業界全体では、運行に関わる人々の意識的な努力と、技術の継続的な改良と発展によって全世界で事故は減少傾向にあります。
そして、2017年にはジェット航空機の死亡事故が歴史上はじめてゼロになりました。

 

2020年以降、全ての仕事には
ビジョン/VISIONが求められます。
ただの前年比での成長では、もう、
人のモチベーションにならず、
価値共有認知もできません、それは、
世界の変化に無策であると同義であるからです。

冒頭にて、
“「リーダーシップ」
は暴走する、「成果主義」で人は評価の奴隷になる、どちらでも、ほとんどの人は押さえつけられる側となり、周囲とも組織とも信頼関係を作ることができない。そのため新しい挑戦は抑制され、イノベーションや新しい価値を生み出せない。”
と
述べました。

そして、「ビジョン/VISION」の重要性と航空業界におけるCRMの事例を紹介し「安全な運行」が「ビジョン/VISION」として機能していることを紹介しました。
 
となると、では、自分の会社や業界ではどうするんだ?と、
ここまで、おつき合いいただいた方なら自問されているのではないでしょうか。
 
経営者や経営幹部の方であれば自分の会社や業界の「ビジョン/VISION」とはどういうものになるかをお考えください。おおよそ3ステップです。
 
1)
国内の社会情勢(そこには人口動態や世代ごとの意識や消費動態などが含まれます。)と、世界の社会情勢(世界の人口動態や、国や地域の経済情勢、歴史を踏まえたこれからの変化の可能性)を踏まえて、社会をどうしたいか?その中で自社や属する業界がどういう役割を担うか?
この問が、基礎になります。

2)
この基礎部分に対して、現在の自分の会社や業界のギャップが克服すべき課題であり、課題の解消が取り組みとなります。

3)
上記1)、2)を踏まえて、従業員にも1)、2)で考えたことを伝え、
うちはこういう役割を担おうと思うが、「あなたはどう?」「あなたは何をやりたい?」といった問を投げかけ、その集計データを2)にフィードバックします。

このプロセスの繰り返しによって、リーダーは誰かを抑圧するのではなく、方向性を示すビジョナリストでありつつ、個々人の「やりたいこと」を集約し全体最適を実現する調整役(コーディネーター)を兼ねた存在となります。
 
従業員は「やりたいこと」などを意思表示し、企業という仕組みと環境を活用して自身の満足と利得の最大化を求めて行動する存在となります。この時、周囲にも自身の意思を示すことで、企業コミュニティ内に協力や経験を共有するネットワークを構築することができます。
だれかを出し抜くことではなく、協力することで個々人と全体にとっての成果の最大化を図ることができるようになります。そして、この積み重ねが「ビジョン/VISION」をより具体的なものにします。
こうした環境を実現できるのがリーダーである経営者、経営陣です。

・あなたが経営者や経営陣である場合

 

経営者や経営幹部の方であれば自分の会社や業界の「ビジョン/VISION」とはどういうものになるかをお考えください。おおよそ3ステップです。

1)
国内の社会情勢(そこには人口動態や世代ごとの意識や消費動態などが含まれます。)と、世界の社会情勢(世界の人口動態や、国や地域の経済情勢、歴史を踏まえたこれからの変化の可能性)に関わるデータやファクトを踏まえて、社会をどうしたいか?その中で自社や属する業界がどういう役割を担うか?
この問が、基礎になります。

2)
この基礎部分に対して、現在の自分の会社や業界のギャップが克服すべき課題であり、課題の解消が取り組みとなります。

3)
上記1)、2)を踏まえて、従業員にも1)、2)で考えたことを伝え、
うちはこういう役割を担おうと思うが、「あなたはどう?」「あなたは何をやりたい?」といった問を投げかけ、その集計データを2)にフィードバックします。

このプロセスの繰り返しによって、リーダーは誰かを抑圧するのではなく、方向性を示すビジョナリストでありつつ、個々人の「やりたいこと」を集約し全体最適を実現する調整役(コーディネーター)を兼ねた存在となります。
 
従業員は「やりたいこと」などを意思表示し、企業という仕組みと環境を活用して自身の満足と利得の最大化を求めて行動する存在となります。この時、周囲にも自身の意思を示すことで、企業コミュニティ内に協力や経験を共有するネットワークを構築することができます。
だれかを出し抜くことではなく、協力することで個々人と全体にとっての成果の最大化を図ることができるようになります。そして、この積み重ねが「ビジョン/VISION」をより具体的なものにします。
こうした環境を実現できるのがリーダーである経営者、経営陣です。

・あなたが経営者や経営陣ではない場合

「やりたいこと」を考えて、アウトプットしてください。
「やりたいこと」が何もないこともあるかもしれません。その時は、
いつもは触れない書籍や論文、映像、旅行などでインプットを増やしてください。そこから「やりたいこと」が立ち上がってくることもあります。

「やりたいこと」のアウトプットができたら、それがすぐに実現に向けて着手できるかどうか?、着手できないならその理由を確認してみてください。個人でその理由を解消できるのか?、自分が経営層に入れば解消できるのか等、その見通しを考えることから確実な学びが始まっています。

・「基本的人権」×「信頼」×「文明の発展」

1755年にルソーは『人間不平等起源論』を著し、原始未開時代には社会階層はなく、理性の獲得によって改善と協力が繰り返されることで、自然と不平等が生じたが、社会制度によって人為的に不平等が生じ、それがなにもしない自然状態よりも大きな不平等となってしまうことは、許されることではないと説きました。

こうした社会制度による自然状態よりも大きな不平等は21世紀となった現在でも、至るところにあります。基本的人権を基盤に、人々が対等な関係で、データやファクトを踏まえながら意思表示を相互に行い、企業や地域、社会などのコミュニティ内の「信頼/TRUST」を確立しながら全体最適解を見出す仕組みが必要です。

しかし、まだその方法はほとんどありません。しかし、『ポリネコ!』『イイカオ』は、大人数がデータ、ファクトを踏まえた意思表示によって、政策形成や住民合意、企業内のビジョン形成を行うために開発されたコミュニケーションの仕組みです。

日本が閉塞状態にあることは確かです。その閉塞状態はコミュニケーションの在り方が旧弊化し性能不足になっているにも関わらず、慣れから思考停止し、依存してしまっていることに大きく起因しています。
ルソー以来の近代社会の課題を乗り越え文明を発展させる取り組みは既に始まっています。

「ビジョン/VISION」ドライブが、リーダーシップや成果主義の悪弊の先にある、新しいマネジメントを実現します。